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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

神去なあなあ夜話 三浦しをん著

 「神去なあなあ 日常」の続編である。前作は2014年に「JOB WOOD」の題名で映画化もされている。

 今どき林業業界で働く若者はいるのか、と思った私であったが、当時の著者の対談記を読むと、少なくない若者が林業に携わり、そのうえ小説よりもっと大らかな日々を過ごしているようである。著者は同時に都会では当たり前のサラリーマン生活が地方ではそう多くもなく「会社勤め」は一般的な働き方でないことに気づいたらしい。

 物語の主人公の勇気がこっそり綴る手記の形式で話は進んでいく。

 夜話では都会暮らしでひ弱だった勇気が田舎暮らしに慣れ、いつの間にか林業に夢中になり、神去村の歴史も知る事になる。それは彼の住む神去村の成立ちや村を大きくゆるがした20年前の大事故についてであった。それらを知ることでいっそう神去村に愛着を抱いていくことになる。

 勇気は直紀や山太らへのクリスマスプレゼントを探すために村から名古屋まで出かけ、名古屋駅前の巨大なデパートで戸惑う場面がある。そこは私もよく知っている場所で、長く都会の喧騒から離れている私も勇気と同じように、人にむせ、物にむせてしまうだろうと想像した。しかし、そこで経験する非日常が眩しいながらも祭りのように楽しめたようにも思えるのであった。

 このあと勇気はどんな暮らしを選んでいくのだろうか。直紀と共に神去村の一員となり林業を楽しんでいくのであろうか。第一産業に携わって楽しかった、と言える日本になって欲しい。