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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

ののはな通信 三浦しをん著

通読したが精読せずではあるが、紹介したい。

小説は四章に区切られている。第一章、昭和59年〜昭和60年。第二章、昭和62年〜64年。第三章、2010年3月〜9月。第四章、2010年10月〜2011年4月。

学生時代の手紙のやりとりは和暦が使われ、20年後の交流再開からはメールでの通信で西暦表記となる。時の流れを和暦、西暦の表記で区別している。通信方法も手紙からメールへ。

私は今40年近く溜め込んだ手紙の処分に踏み切っている。段ボール箱から手紙の束を取り出し再読して処分しているのだが、タイムカプセルを開いたような気持ちになった。40年近く前はまだメール送信など縁がなくひたすら手紙を送って友人と互いの日常を報告しあっていた。この小説で当時に想いを馳せた。

30年余りの間会わなかった二人の環境も大きく変わり高校時代のような無邪気なものではなくなっており、人間の幅が広がり互いに尊いもののようになっているのが読み取れる。はながどこかで生きていてくれるのを望みはするが二人の再会は永遠に訪れないのであろう。ののからはなへの想いが綴られることも終わりとなった。

私の手持ちの手紙の処分はまだ終盤を迎えそうにないが、形は無くなっても友人たちとの交流の記憶はこの先も消え去ることはない。