執権義時に消された13人 榎本秋著
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にあわせて執筆されたのでは、と想像している。発行が2021年11月である。ドラマは三谷幸喜脚本ということで話題も多い。私は当初「13人」のタイトルの理由がわからなかった。これは源頼朝の死後に発足した集団指導体制の「13人の合議制」を構成した御家人を指しているそうだ。
ドラマを見始めて気付いたのは、私の鎌倉時代に関しての知識は日本史の教科書表記のみであったことだ。権力闘争のために多くの血が流れていたのだが、鎌倉時代初期にこれほどの闘争が繰り広げられていたことは教科書描写だけではわからぬものだ。
この本の感想は、「読みにくい」である。歴史には多くの名前が登場する。相関関係を理解しながら読むのが難しい。私は大河を熱心に視聴しているので物語の各場面を思い出しながら13人の御家人を確認することになった。
ドラマの現時点で消された御家人は4人。残りは9人である。ドラマ視聴者の私は御家人粛清のたびにそれぞれの末路が書かれたこの本の内容を思い出すことになるだろう。歴史は一面から捉えてはいけない。切り口の違う歴史書を探してもう少し鎌倉時代初期を学習してみたい。