和田秀樹著 80歳の超え方
新聞下欄の広告で「和田秀樹」の名前をよく見ていた。自身もこれから迎える70代、80代どう過ごすのが幸せなのか、気になるタイトルが並ぶことが多い。たまたま図書館で著者の本を2冊見つけ借りてきた。
同居している父用に借りたのであるが、先に拝読。本来ならば第1章から読み始めるものだろうが、どういうわけかどこからでも読み始められる本の場合、最初から読み進むことがあまりない。気の向くまま、あちらこちらの章に移りながら読み進められるのもありがたい。
80代の父の行動を日々見ていることもあり老いが身近で「なるほど」と頷きながら読み進む。第6章までありその内容が目次になっている。その目次を眺めているだけでも十分面白い。身近に老人見本がありとても参考になる。
70代を超えて定期検診、がん検診は受けなくても良いのではないか、との指摘には大きくうなずかされた。会社組織から離れた私は自分の健康を確認するためにせっせと検診を受けてはいるが、70代になったらそれもしなくてもいいかと思い至った。癌が見つかり診断の結果手術した方が良いと言われたが、自身の年齢と癌の進行を考慮すると手術後の不自由より現状維持を選ぶ方が気持ちが楽だ、との結論に達し手術しないことにしたと言う高齢者の話を聞いたばかりであった。「健康に生きる」のは悪い部分を摘出さえすれば健康になるのではないことに気付かされた。
高齢者と同居していないとマスコミから報道されることが全て真実のように聞こえ、不安ばかり煽られるけれど身近で高齢者に接していると面倒なことも多いが、自身の老いに対する思い込みを払拭させてくれる場面も多々ある。
30年以上にわたって高齢者医療に携わってきた著者の話は興味深い。他の著作も探して老いへの準備をしておこうと思う。