その薬、必要ですか? 川島絋一郎著
幸にして日常飲み続けている薬はほぼない。女性特有の骨粗鬆症が気になり、診察してもらったところ案の定骨量が不足している診断が下され、週に一度服薬するようになったものだけである。年齢が上がっていけばこれで済まなくなる可能性は大なのだが。
同居する家人が数ヶ月前から便秘薬の世話になっている。常飲すると効果が薄れるので注意してはいるものの本人にとっては目の前の効果を期待して安易に薬に走る。薬の効能を考えながら目次を眺めていて、日頃何気なく飲んでいるもの、塗っているものは果たして有効なのかと疑いの目を向けてしまった。
とりわけ健康のために販売されている商品はどうであろうか。効果を期待して飲んでいた栄養ドリンク、紫外線防止に塗り続けた日焼け止め、シミが消えると言われて使い続けた美白化粧品等々。効いていると思いたいだけだったのかもしれない。実際の効果はあったのかどうか。使用している間気持ちはプラスに働いているから「効いていた」。しかし継続が面倒になりそれを使用しなくなって何が変わったか。外側からも内側からも変化はない。良かったことといえばお金が懐に留まるようになったことであろう。
全ての薬に疑いの目を向ける必要もないのだが、使用する前に考えたい。本当にその薬が必要なのか、と。