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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

いつものBarで、失恋の謎解きを 大石 大(オオイシ ダイ)著

 終活本を時々もらうことがある。自分で処分するには忍びない、そんな本が我が店にやってくることがある。今回紹介する本もその一冊だ。

 本の帯には「傑作ミステリー」と紹介されていて、作者は2019年のボイルドエッグズ新人賞を受賞している。ずいぶん昔の話だが推理小説を書いて新人文学賞受賞を目指し投稿し続けていた知人がいた。その文章の書き方、あらすじの組み立て方がよく似ていることに気づいた。推理小説作家を目指す人々独特のものだろうかと考えてしまった。

 普段読み慣れている小説の登場人物の描写とかなり違うのに戸惑った。年齢差がある複数の登場人物にも関わらず、ほぼ同年代のような言葉遣いや、かなり強引な物語設定はライトノベルを読んでいると思えばよいものか。

 普段手に取る小説と色合いが違い過ぎて感動するまでには至らなかったが、90年代から現代までの流行や事件を思い出させてもらい時を遡ったような読書時間であった。