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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

新宿駅最後の小さなお店 ベルク 井野 朋也(イノ トモヤ)著

 JR新宿駅東口の改札を出てすぐ左にベルクはあり、1970年純喫茶として営業が始まった。その後ビア&カフェ「ベルク(BERG)」となり現在に至っている。

 個人経営店が駅ビル内で営業を続けているのはかなり特殊な例であるようだ。都市の駅ビルのテナントはどこもチェーン店でひしめいている。そこの駅ビルにしかないお店はほぼないのかもしれない。どこにでもあるからある意味安心感を得られる。経営側としても安心できるテナントなのだろう。

 文庫版解説で柄谷行人が「東京の街では、チェーン店や大型店舗が増えて、個人店や商店街がほぼ消滅した」と書いている。都市ばかりでなく地方都市も同じである。幹線道路沿線で見かける看板はどこの都市でも見られるチェーン店のもので新鮮さがない。郊外には大型のショッピングモール。車社会となってから全国一律の顔ぶれである。

 そんな絶滅危惧種のような飲食店の孤軍奮闘の話である。そろそろ体力の限界に達しそうな年齢かもしれないが体張り続けて欲しい。