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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

マリコ、カンレキ! 林 真理子(ハヤシ マリコ)著

 「週刊文春」2014年に掲載されたものである。著者の忖度のない文章を読んでいると気持ちがよい。SNSで誰でも意見を発信できるようになったのは悪いことではないのだが、他者を貶める発言が多いのに辟易する。名前を名乗っての発言なら良いものの多くは匿名。誰の発言ともわからぬもので個人攻撃はないだろう、と言いたくなる。

 ”言葉について”の項に朝ドラ「花子とアン」の甲州弁について書かれているが、その中で「ほーけー」「そんなこと言っちょっしィ」のように若い女の子が言ってるのは可愛い、と書かれている。生まれた地域を離れて暮らしているときに聞く方言は、本当に懐かしくてありがたい。3年前から私は鳥取で暮らし始めて漸く鳥取弁が私に戻ってきたように思う。しかし、周囲の人々は昔から使っていた言葉をあまり使わなくなっている。私は両親と同居なので鳥取弁での家庭内での会話が当たり前。そして組織で働いていないので標準語で話すことを意識しないが、働いている知人らの多くは標準語を使うことが当たり前のようである。言葉はそこでの暮らしを表すと考えている私にはこの風潮が少し悲しい。私の方言も標準語に近く、昔使っていた鳥取弁ではなくなってしまった。

 「オクタニの秘密」の項が面白い。「オクタニ」が気になってググってみたところ「奥谷禮子」のことである。私は彼女のことは知らなかったが経済界で知らぬ人はいないほどの有名人で様々なトンデモ発言も多い。著者の交友関係に驚かされるばかり。