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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介 

母のはなし 群 ようこ(むれ ようこ)著

 ほぼ実話だろう。いつからか群のエッセィで触れられるようになった家族とのシコリ。(この小説は2010年にWEB文芸「ゼンザブロー」で発表。)根が深くこの小説を発表した後もずっと燻っていたのだろう。先日ここで紹介した群のエッセィで全てを吐き切ったようなので今後の作品に注目したい。

 群にとって家族の一員であった猫のしーちゃんは亡くなり、揉め事の絶えなかった母も亡くなり、弟とも断絶した。今後の発表作品はどんな内容になるのだろう。

 この小説の前半はホワホワとした明るさがあるのだが。こんな家族って世間には珍しくないのかもしれないが呆れる部分も多い。まあ小説だから虚構も多分に含まれているのだろうけど。夫と離婚し子どもは家を出たのにいつまでも子にしがみつく母の怖さもあり、経済的に豊かな娘のお金の与え方もタガを外れたものがある。お金があるとこんな無節操なことが許されるのか。こんな親でも娘は孝行しなければいけないのか。お金が人生を狂わす一つの例であったようにも感じられる。