わたし、定時で帰ります。”ハイパー” 朱野帰子(アケノ カエルコ)著
この小説は2019年ドラマ化され、かなり話題になっていた。シリーズ化されていて4巻もある。私は順番でいけば3巻目を読んだらしい。お仕事小説である。パワハラ、セクハラ、ブラック上司と何でもあり。ついこの間まで、ごく当たり前だった日本の会社である。今はどれくらいホワイト化したのだろうか。中小企業は相変わらずといったところか。
私自身「定時で帰ります」が信条であったので定時で帰ることがドラマ化されるほど大変なこと、との認識も持たず。人の評価も気にせず、上昇志向もなかったので定時で帰ることができたのかもしれない。小説を読んでいるとそんな人間はとんでもない奴と攻めまくられるようだ。
主人公の東山由依は管理職となったが、管理職でも定時で帰ることを会社側から要求される。定時に帰る管理職がいることがホワイト企業の証明であり、若手の採用に有利に働くと会社側が考えてのことだ。仕事の内容を考えてみれば非常に厳しい要求である。現在日本は急速に働き改革を進めているがいつになれば「定時で帰る」が当たり前になるのだろう。