定年後の作法 林望(ハヤシ ノゾミ)著
無駄なことに時間を使ったり、偉そうにするのではなく、適度に清潔で品ある人に見られるための方法を伝授するという内容である。
林望のこれまでの生い立ちがかなり詳細に書かれている。私は著者の熱烈なファンではないが、デビュー作の「イギリスはおいしい」から始まり林望の動向をチェックしていたことに本を読みながら気づいた。
今年の甲子園であまりにも有名になった「慶應義塾」出身であり、著名な父を持つサラブレッドといったところか。そういう目で読んでしまうと鼻に付く描写も多い。とは言え書かれている事は真っ当で計画的に実行しているところが著者らしい。また、教師経験が長いので文章、内容に破綻はない。
近著に「謹訳 源氏物語」があり、この翻訳はお勧めである。これまでの源氏の翻訳物と違い、文章が平易で頭に入り易い。源氏物語を途中で挫折している人は是非目を通してみてはいかがか。