うちのこざんまい　内野 こめこ（ウチノ コメコ）著

　1年近く前に姪が出産した。と同時に日々の記録を写真と共に送ってくれるようになった。初めて出産、育児の怒涛のような日々を姪の報告で知ることになった。

　そんな怒涛の日々を著者は漫画で絵日記ブログを綴っており、それが書籍として発刊されている。興味のある方はネット検索されれば年齢別の記録も読める。子育てしながら詳細な絵日記を書いてきた著者の奮闘に頭が下がる。育児備忘録は貴重だ。自分自身にとっても、他の新米母にとっても。

　著者がひたすらネット検索しながら育児を学んでいる姿は姪と重なるものでもあった。現代の育児は親を頼るのではなく数多くの情報の中から最善と思われるものを選択しながらもがいていくのが主流なのかもしれない。30年40年前の子育てさえ、なんと牧歌的だったかと思わずにはいられない。出生率が大きく減少し日本の存続も危うくなり始めてはいるが、世間はまだまだ子育てに優しい社会ではない。このままでは私たちの老後も安泰ではないことを多くの国民は認識しているにも関わらず、制度設計変更の遅い政府にダメ出しが通じないのはなぜなのだろう。