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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

ザイム心理教 森永卓郎(モリナガ タクロウ)著

 テレビ、ラジオでお馴染みであり、過酷なダイエットに成功し、最近はステージ4のすい臓癌で「春前には死ぬだろう」と医者の話さえ公表している。元気に復活してほしいと思っている。

 経済アナリストとして分かり易く解説してくれていたのには感謝するばかりだ。経済が得意になったわけではないが、全然わからないと公言せずに済むのは森永のおかげだろう。「ザイム真理教」の新聞広告を眺めているうちに読みたくなり入手した。読み終えて、結局よくわからないという感想である。消費税減税は十分可能だと説明されているが、本当にそうなのだろうか。財務省の言い分が正解だとも思えないが森永の論理に頷くわけにもいかない。一面から見れば確かな言い分でもあるのだろうが、ザイム真理教の教えが刷り込まれている私には納得のいかない箇所も多い。

 第1章「私は大蔵省の奴隷だった」の内容は40年以上も前のことであるが当時世間を騒がしていたのを思い出した。その後、報道も静かになったのだが国家公務員がずいぶん叩かれていた時代だったのかもしれない。かなり膿は出たように思うがさてどうであろうか。

 第6章「教祖と幹部の豪華な生活」の中で国家公務員の待遇に関して言及しているが、あくまで幹部の国家公務員と思いたい。給与が高すぎるとも書かれているが、安くなれば優秀な人材は集まらなくなる。国家に奉仕するのだから安くて当たり前という発想はやめてほしい。人材が揃わなければ日本国の屋台骨は今以上に崩れていくだろう。森永の指摘するように問題は多いかもしれないが、十把一からげは御免である。

 既に「逃散」してしまった私は「幸せな人生」を選んだのであろう。