アボカドの種 俵 万智(タワラ マチ)著
著者の第七歌集である。概ね2020年〜2022年に発表したもの375首が掲載されている。三十一文字の歌が375首、文字数から言えば小説を読み通すよりずっと短い時間で読み終える。今時の言葉で言えば「コスパ」が良い、とでも表現されるのだろうか。
彼女の背景を知ろうと努力しているわけでもないのだが、注目されている歌人ゆえ動向が何となく分かってしまう。それを知っているから一層、歌われている出来事を想像しながら読んでしまう。
出産以降様々な体験が彼女を取り巻き著者が成長していく様子がわかる。良くも悪くも経験は貴重である事を改めて感じる。
人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく
次の歌集が待ち遠しい。