menu

BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

老後の家がありません 元沢 賀南子(もとざわ かなこ)著

 大都市圏で生活をしている人なら役に立つ内容であろうが、地方で暮らしているとまるで縁のない内容だ。大体住宅への投資金額が違い過ぎる。都市圏で長く住んでいると金銭感覚が狂ってくるのかもしれない。年収300万円も無いシングル女子が賃貸、分譲のいづれも高い都会に住み続ける理由がわからない。文化芸術に触れ続けたいと言うのはわからないでもないが、年金生活に入ればそれらを楽しめるお金を捻出するのもかなり厳しくなる。地方にも機会や数は少ないが文化芸術に触れることは十分できアクセスも悪くない。

 私自身転勤族だったこともあり、作者と同じ程度の数の引越を経験している。東京を含めた大都市圏、地方都市、民間物件、UR物件、社宅と様々な地域、形態の違う住宅に住んできた。私の経験と作者の経験は重なる部分もあり、物件調査に関してはうなづける箇所は多い。ただマンションあるいは一戸建て住宅の購入額のみ強調されるが、固定資産税、修繕費等についてもう少し突っ込んで欲しかった。東京の固定資産税がどれほどのものか想像もつかないが、年金生活者の場合支払いは可能だろうか。修繕費用も高騰が予想される。現実はかなり厳しくなるように思う。

 都会生活に染まりきってしまった中年女性には今更、刺激も少なく、ショッピングも楽しめず、飲食店も少ない地方都市には住めないのかもしれないが、懐の厳しさが将来的に改善しないのであれば都市との決別も考慮するべきだろう。懐に余裕あってこその都会のように思われる。