60代、少しゆるめがいいみたい 岸本葉子 葉子(きしもと ようこ)著
コロナ期の2021年10月から2023年4月までの新聞エッセィ等をまとめたものだ。
著者は同年代である故かよく読んできた。執筆開始は1985年からであるが、いつの頃から読み始めたのか記憶が定かではない。私は吉祥寺によく通っていた時期があり、彼女のエッセィが私の生活圏に近かったので惹かれていったのかもしれない。著者は30代でマンションを購入したのだが(詳細は「マンション買って部屋づくり」文藝春秋発行)、その経緯についての内容は参考になった。その時々の生活感が同年代の私の生活に重なる部分もあり常に意識させるのかもしれない。
本の中でコードレス掃除について言及しているが、私も先日ようやく掃除機を購入した。著者と違い部屋に物を置かない生活なので普段はモップかけで済ませている。ミニマリストとまでは言えないが最低限の家具で暮らすのは予想以上に快適だ。何より掃除にかける時間が少ないのは嬉しい結果であった。
「大人の居場所、百貨店」はとても頷ける。緩やかに時を過ごすことができるのは嬉しい。地元の百貨店が閉店しないことを切に祈っている。多くのものを購入するわけでもなく百貨店に貢献できていないと思うが、無くなってしまうと途方に暮れそうだ。