うちのちいさな女中さん 長田 佳奈(おさだ かな)著
かつては日本女性の一大職業であった女中さんが身近に存在した昭和初期が舞台だ。最近の「虎に翼」の寅子、花江の実家にも女中さんはいた。映画化された中島京子の「小さいおうち」でも女中さんが家族を支えていた。1950年代以降奉公人的性格を持つ女中の担い手は減少していき、明確な雇用契約に基づくお手伝いさん(家政婦)が一般的になった。
東京郊外にある「江戸東京たてもの園」の”田園調布の家”を参考にしたような蓮見令子住宅だ。この時代のモダンな建築である。
台所道具、生活用具、着物の始末等々漫画で描かれていると映像が浮かび上がってくるようだ。私は昭和半ばの生まれだが、登場する道具や生活環境を見て育った。継承していく世代とならなかったが、記憶には留まっている。懐かしさもあり、愛おしく感じた漫画だった。現在5巻まで発行されている。第6巻は2025年春頃発売予定。