
学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話 ちいさな美術館の学芸員著
東京の美術館の現役学芸員の仕事に関するコラムが一冊の本となった。著者は現在も「ちいさな美術館の学芸員」名でnoteで書き続けている。
鳥取に戻って美術館とはほぼ縁がなくなってしまったが、以前は国内の多くの美術館を回っていた。旅のついでか旅の目的か、と言ったように旅に美術館見学は必須だった。
「ここは外せない!王道の国立美術館」と著者が推薦する美術館には幾度も出かけたものだ。
私はもっぱら「企画展」に行く事が多く、「コレクション展」は時間と体力の余裕がなければ見ることができなかった。大抵「企画展」で体力、気力とも消耗していてコレクション展を外していた事を後悔している。著者が推奨している東京国立美術館の「MOMATコレクション」は素晴らしかった。料金も安く美術の教科書に掲載されていた絵画をこれでもかというほど展示されている。
学芸員が表に出る時は少ない。企画展が開催されるときにトークイベント等で学芸員が講師を務めることがあるのだけれど、私はなかなかタイミングが合わず、直接彼らの仕事に触れる機会がなかった。この本では美術館の裏側で働く学芸員の仕事を知る事ができて面白い。
第4章の「美術館をささえる仲間たち」では展示の職人集団や大型企画展の仕掛け役マスメディアの事が書かれている。これもまた興味深い内容だ。
5月22日に「学芸員が教える日本美術が楽しくなる話」が出版される。予約もできるようだ。私は既に予約を入れた。手にするのがとても楽しみだ。