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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

知識ゼロからの近代絵画入門 山田五郎(ヤマダ ゴロウ)著

 ロマン主義(18世紀末〜19世紀前半)からシュルレアリスム(1924年〜1930年代)までの約100年余りの近代絵画史の解説である。

 近代絵画は学生時代からずっと見続けているのだが、美術史を勉強したことがなかった。この本を読むと西洋絵画は100年余りで劇的に変化しているのがわかる。芸術家たちは試行錯誤しながら作品を作ってきている。

 ピカソ、ゴッホ等々日本人が好む画家だが、彼らが自分たちの作品を発表してすぐに世間に受け入れられたのではなかった。私が現代アートの前で呆然としながら言葉を探しているのと同様に当時の大多数の人は評価できず頭を抱えながら作品と向き合ったのだろう。

 セザンヌの作品に関する解説が面白い。私はこれまでセザンヌの作品を見るたびに、この画家を評価することができなかった。下手さが逆に新しい「現代絵画の父」という解説で納得した。上手に描かれた画家だけが美術史に残ったのではなかったのだ。

 1930年代のシュルレアリスムまでが近代絵画でそれ以降は現代アートと呼ばれているのだろうか。現代アート入門書に挑んでみたい。