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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

実際に介護した人は葬式では泣かない こかじさら著

 またですか?と言われるだろうと自覚している。介護の本と縁が切れない。介護の方法が書かれたものではなく、実際介護に携わっている人々の生々しい呟きにうなずかされるのだ。楽をしたいわけではないが、私の時間も確保したい。病に倒れず、朝寝もせず、老親の行動最優先で日々過ごしている。

 私は作者の環境と重なる部分がいくつもあり、ドキドキしながら読んでしまった。作者は最後まで抵抗していた頑固な母を施設に入れたものの、元気で口の達者な母は作者を追い詰めている。心を鬼にして母親から逃げ切ってくれることを切に望む。逃げ切ったところで作者の懐はすっからかんになっていそうだが。

 私は懐すっからかん状態だけは避けたい。自分の老後もあるのだからたとえ親のためでも身銭を削ることは遠慮したい。たまたま見た垣谷美雨の本のタイトルであるのだが「行きつ戻りつ死ぬまで思案中」今の私の心境にぴったりだ。