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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

トッカン 特別国税徴収官  高殿 円(たかどの まどか)著

 「マルサの女」は国税局査察部(通称:マル査)に勤務する女性査察官と脱税者との戦いをコミカルに描いた映画。税務署の仕事ってマルサの女のようなものかと思っていたらそうではなかった。この小説の主人公は特別国税徴収官(略して特官)付き職員である。会話には専門用語も多く税務職員の仕事を覗けたような。税務署の仕事って随分ハードで作業量が多いのに驚いた。そして「京橋プラスチック」のように税金を納められない企業にまめに通って指導する業務があることを全く知らなかった。滞納している企業や個人に支払いを求めることが業務だと思っていた。小説なのだから全て正しくはないのだろうけど。本当はどうなの?と税務署職員に尋ねてみたい。

 「公務員は安定した職業」「安全パイ」といった表現が多数出てくる。この小説が書かれた2010年頃はそういった見方が一般的であったのだろう。現在も同様の見方がされているのだろうか。公務員の世界も大きく変化しているように感じてはいるのだけれど。

 トッカンは全4巻であるようだ。エンターテーメント小説なので一気読みができる。今日紹介している小説もあっという間に読み終えてしまった。