
月に3冊、読んでみる? 酒井順子(さかい じゅんこ)著
よくこんなに読んでいるなぁ、と感心する。私は頻繁に図書館に通っているが、読み通した本はどれほどあるだろうか。私も作者同様に系統だってじっくり読んでいないので深い人間になれないでいる。
最近、新聞の読書欄で紹介されている本を図書館でリクエストすることが多くなった。自分で購入すると「積読(つんどく)」になり目を通すことがなくなってしまうからである。借りた本はさっさと読めるのに自分のものになってしまうと安心するせいか、その本との距離がどんどん遠くなってしまう。
なんと文楽に関してのお勧め本もあるではないか。三浦しをん著「仏果を得ず」これを読んだこともあり私も文楽に惹かれている。地方暮らしとなってしまってなかなか文楽を見る機会も無くなってしまったが、せめて「恋川」「一の糸」は読んでみたい。再び文楽鑑賞の背中を押してくれるかもしれない。
”旅・鉄道”の項もある。私はかなり前だが、首都圏在住時に著者と原武文氏の対談を聞いたことがある。二人の対談がとても興味深かったことを思い出した。原、酒井、関川夏央共著の「鉄道旅へ行ってきます」はとても面白い本であった。その中で駅のホームのそば屋の話が掲載されていたが、現在はどれだけのそば屋が残っているのか。今読めば思い出に浸るだけの鉄道旅の本になってしまっているかもしれない。
紹介されている本のいくらも読んでもいないが、掲載されている本たちが懐かしい。内容を覚えている本もあればそうでない本もあるがそれらに関連した記憶が蘇ってきて楽しい読書時間だった。