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BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

本なら売るほど 児島 青(こじま あお)著

 新聞書評に掲載されていて、ネットで調べてみるとずいぶん評判が良い。早速取り寄せて読んでみた。この作者はまだ新人に近いようだ。作者の詳細を見つけられなかったので年齢もわからない。考えてみれば、同じ紙媒体の書籍であるのに漫画家は粗悪な扱いを受けているような気がする。作者の履歴が掲載されていることはあまりない。どんな背景の作者なのか想像することさえできない。

 本好きであればこの作品を読んで心動かされてしまうだろう。

 「青木まりこ現象」の言葉を初めて知った。1985年雑誌に投稿され、共感する読者が多いことから定着したという。私もおおいに共感してしまう。近年その現象から縁遠くなり本屋で冷や汗を書くことは無くなったが。

 「天アンカット」という格調高い製本スタイルも知らなかった。新潮文庫は天のギザギザとスピンで見分けられる、とジョージさんは田部に説明している。私は文庫本の天がギザギザであることに何の疑問も持っていなかった。

 2巻の「丘の上ホテル」は「山の上ホテル」ではないか。本の内容とは関係ないのだが、学生時代に山の上ホテルのバーでお酒をご馳走になったことがある。なんで知り合ったのかも忘れてしまった年上の女性であった。私もいつかあんなお洒落な場所でご馳走する立場になりたいと思っていたが、この先そんな場面が訪れるだろうか。現在、山の上ホテルは老朽化のため休業中である。何年後の再開となることだろう。神保町の古本屋街もすっかり景色が変わってしまった。

 本が本屋が元気な時代を思い出すことができた。第3巻の発刊を首を長くして待っている。