我らがパラダイス 林真理子(はやし まりこ)著
介護にまつわる内容であるが、期待を裏切られた展開であった。シリアスにまとめて欲しかったわけではないが次々と介護事情の異なる家庭の女たちが登場するのでどんな解決物語なのだろうと期待してしまった。高級介護施設も描かれていたが、どれくらいの状況になって入所するのが満足度が高いのだろうか。毎日見栄を張る生活も疲れるだろう。人と群れてバランスをとりながらもこれまた疲れる。
現実に介護を担うようになってしまうと、笑い事ではなく切実な問題が次々と襲ってくる。お金で解決できるような単純なものではなく自分の親を最後まで自宅で見守れなくなった場合、何を選択するのが互いの幸福か考えてしまう。エンタメ小説なんだから力抜いて読めばよかったのだ。なまじ介護の解決策を読み取ろう、などと肩に力を入れてはいけなかった。
どんな老いを迎えれば円満の暮らしができるのか、深い闇はこれからも続くようだ。

