ペインフル・ピアノ(上下) サラ・パレツキー著 山本やよい訳
V・I・ウォーショースキーシリーズの一冊である。このシリーズは1985年から日本で刊行されている。
長い間このシリーズを読むことがなかった。海外物の推理小説から離れてしまった上に翻訳小説からも縁遠くなっていた。再び海外のミステリー作品に手をのばすきっかけになりそうだ。
アメリカのシカゴを舞台に、現代社会の闇に立ち向かう女性私立探偵が活躍するハードボイルド作品だ。以前このシリーズを読んでいた時はアメリカの闇の部分を強く意識することはなかったのだが、トランプ政権以降アメリカ社会が気になるようになってしまった。海外小説を読んでいると日本と違う社会を知ることができ興味深く巻き込まれなくてよかった、などと思ってしまう。日本の社会派ミステリー小説を避けているのは日本の闇に堕ちていくのが怖くて敢えて近付いていないのかもしれない。
23ものシリーズ作品があり、年齢も重ねているはずなのにハードボイルドぶりに磨きがかかっているようだ。年齢設定は幾つなのか。心身ともにタフ過ぎる。

