もっと知りたい源氏物語 大塚 ひかり(おおつか ひかり)著
古典エッセィストの著者の作品はどれも面白い。こんな読み方があったのかと驚かされる事が多い。下ネタが多いのも著者の特徴だ。源氏物語の内容に関して微に入り細に入り詳細な解説があるのはありがたい。平安時代の装束、召使の役割、六条院の構造等についてもイラスト入りなのでよくわかる。ビジュアル的には大河ドラマ「光る君へ」は平安時代への手引きの動画版のようなものだろう。
以前、塗り絵にハマっていた時があった。平安時代絵巻の塗り絵も体験したが、初めて見る装束も多かったのだが、この本のイラストは参考になる。冠のつけ方、冠、帽子の種類のイラストもあり面白い。
天皇と宮中それに付随する京都の一部の場所や占い、祈祷等について様々な解説がある。著者の深い古典愛を感じる事もできる。
巻末資料として「『源氏物語』享受の歴史」がある。1008年〜2001年までの源氏物語に関する事柄が記述されている。そして著者が使った「源氏」関連本も記載されている。源氏物語に関して知りたい人は一度眺めてはいかがか。十分な手引きとなるだろう。