ぼくのシェフ 長谷川まりる 著 西村ツチカ 絵
児童図書ではあるが、新聞書評に取り上げられて興味を抱いた。
付録として「マリーの田舎料理」が掲載されている。マリー・デジャルダン作(カナダ・ケベック州出身)だ。本文の中に出てきた料理はマリー・デジャルダンのレシピであるから掲載されているのだろうか。唐突な印象を受ける。
この小説は海外の児童書を読んでいるようでもある。料理と人生、社会の不均衡といったテーマが描かれているというが、私はAI解説に書かれている社会の不均衡を読み取ることができなかった。児童書を軽く見ていたわけではないが、言葉は平易であるが内容はそうではない。読み終わって晴れ晴れとか心が温かくなる、癒される等々の言葉は出ない。深く読み込めないまま読後感は「ちょっと心は重い」。

