本の紹介

できない相談　森　絵都（もり　えと）著

　作者の作品を読むのは初めてである。38の短編で構成されている。こんなに短い短編といえば、ショートショートの星新一を思い出していた。わずか数ページの短編もあるがどれも良くまとまっていてシニカルな作品も多い。

　私はzoomで参加している朗読会で「サービスの落とし穴」を読んだ。7分程度で朗読でき、祖母と孫の会話で成立しているので感情も込めやすく題材としてお勧めできる。

　パソコン、携帯のサポートサービスを題材にした内容だが、パソコン苦手な私はまるで自分のことを話題にされているようであった。私は有料のサポートサービスを利用したこともあり、サポート代だけを月々支払い続けていた時もあった。まるで孫に問い詰められるこの祖母のようである。

　作者の執筆ジャンルは、青春小説、児童文学だという。2006年の直木賞を受賞している。この受賞作も短編集だったようだ。作者の他の作品も読んでみたくなった。

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