それでも旅に出るカフェ 近藤史恵(こんどう ふみえ)著
2017年に発行された「ときどき旅に出るカフェ」の続編であるようだ。2022年「小説推理」に連載されたものを加筆、修正した作品である。コロナ期に発表されたものでコロナは続いていたもののだいぶ落ち着いてきた頃に発表されている。(コロナ期間2020年1月〜2023年5月)コロナ期間の東京が舞台となっているので、当時の東京のオフィスや飲食店の様子を伺うことができる。
シリーズの最初の本を読んでいないので奈良瑛子と葛井円の関係や”カフェ・ルーズ”で世界各国の料理や飲み物がメニューに取り入れられている理由のようなものがはっきりしなかった。小説に描かれている食べ物は非常に魅力的だ。次から次に新しい名前が現れる。多分、私がこれらの味に出会うことはなさそうなので残念ではあるが。
大きな事件が起きているわけではないのだが、章ごとに小さな事件が起きて収まっていく。これで終わり?とスッキリしないのは高見の存在である。妻の箱崎の描き方も中途半端な感じだ。含みがあるような終わり方だが、続編が予定されているのだろうか。

