琴子は着物の夢を見る(梅、香る) ほしおさなえ著
シリーズ第2巻は振袖の話。黒の総絞りで、松竹梅が描かれたもので、本疋田絞というとても手の込んだ見事な振袖である。着物を想像するだけで気分が高揚する。絞りの方法も詳細に描写されていて、着物に興味のある私には嬉しい描写が続く。
琴子はこの振袖を通して記憶を辿っていき、亡くなった真子の秘めた恋の結末を知ることとなる。
振袖を着た真子が訪れた初詣の場所の”伊勢山皇大神宮”は横浜市にあり、横浜在住の頃に私も何度もお参りした場所である。
ほしおさなえの著書は私にとって首都圏在住時代の土地や食べ物の記憶を呼び覚ます。地方で暮らすようになって、改めてそれらの土地について文章化されたものを読む事で曖昧だった記憶が修正されていくのが面白い。

