世界大富豪列伝(20ー21世紀編) 福田和也(ふくた かずや)著
「週刊現代」2012年〜2015年に連載された「蕩尽の快楽世界大富豪列伝」を構成し直したものである。ここでは世界の21人について書かれている。主に世界の金持ちの立身伝である。登場する日本人の中には私の知らない名前や名前は知っていても何をした人か知らなかった富豪達もいた。現在も活躍中なのはドナルド・トランプ、アルワリード・ビン・タラール王子だ。発行が2021年なので現在のトランプの列伝でないのが残念である。
どの大富豪も面白すぎて驚かされる。作者も書いているのだが、21世紀に入って富豪の様相は大きく変化している。世界の大富豪はGAFAを代表とするIT企業の経営者ばかりである。そしてその創業者が全員アメリカ人であり、貧しい家の出身者はいない。21世紀においては正規の教育を受けていないが才能によって富を築き上げる人間が現れる可能性はほとんどなくなった。経済界に限らずスポーツ界でも英才教育を受けてきたものばかりである。人生のスタートにおけるハンディは一生続き子供や孫の代まで影響が及ぶ。
作者は21世紀にも驚くべき人間が登場してくれるだろう、と期待しているが果たしてどうだろうか。私は身も蓋もないのだが、21世紀に偉人が登場するとは考えていない。金と権力を握りたい者ばかりが成功を収めていきそうな気がしている。

