人生は70代で決まる 綾小路きみまろ著
未知なる「老い」を恐れているせいか、こんなタイトルに惹かれる。親との同居を始めて一層どのように歳をとれば悔がないか、と考えるようになっている。
著者がブレイクしたのは52歳。当初は変な漫談家の印象が強かった。いつの間にかその毒舌に慣れてしまったと言うのかよく聞いてみれば真実を面白く喋っているだけでしかない。そしてその毒舌を愛する人のなんと多いことか。
年を重ねて良いこととして、競う相手が少なくなり見栄を張り合う機会が減り、肩の力が抜けて本音で生きやすくなる、とある。振り返ってみれば私にも当てはまることはある。ストレスがなくなったのは「競争」場所から抜けてしまったせいなのであろう。
欲がなくなる70代は貴重なひととき、いろいろな経験をしてきたことで欲が枯れてくる、機嫌よく生きる、人生は楽しんだもの勝ちとも。
問題のない人生などない、問題があるからこその人生「問題があるのが当たり前」と思い、リスクや悪い事が起こりうる状況をどこかで想定しながら、その上で楽観的な気持ちで生きていく、70代こそ、そんな楽観主義で生きていきたい、との作者の考えに同調する。私もそんな風に暮らすことを目標にしたい。