扉はひらくいくたびも 竹宮惠子、知野恵子(聞き手)
読売新聞の「時代の証言者」に語り下ろしたものが一冊の本にまとめられている。
私が漫画に接したのはいつか思い出すことができない。主に読んでいたのが「週刊マーガレット」たまに「週刊少女フレンド」であった。竹宮の「風と木の詩」「地球へ・・・」は代表作であることは知ってはいるが読み通した記憶がない。熱心に読んでいたのは中学生の頃だった。これらの作品はまだ発表されていなかったためかもしれない。
京都精華大学は4年制大学として初の「マンガ学科」を2000年4月に開設しており、竹宮はその専任教授に就任し、その後学長となり2020年定年退職している。
ちょうど私の成長期に合わせるように世の中には多くのマンガ雑誌が登場し始めていた。ここに書かれた漫画家の名前を眺めながら、大きな目の星を輝かせる少女たちの姿を追っていた頃を思い出す。そんな中で竹宮惠子、萩尾望都は異質であった。少女漫画の世界を離れて別の世界に連れていかれるようにストーリーを辿っていった。
竹宮は「エルメスの道」「新版 エルメスの道」、鎌倉時代の記録書「吾妻鏡」をマンガで書き下ろしている。歴史をずいぶんわかりやすく解説しているようである。ぜひ読んでみたい。