やがて鐘は鳴る フジコ・ヘミング著
プロフィール等には書かれていないのだが、著者の年齢は現在90歳(1932年12月5日生)である。かなりの高齢だとは知っていたが驚くばかりだ。
昨年当地で演奏会があり私は聴きに出かけた。会場はコロナ制限はあるもののほぼ埋まっており、老若男女の姿があり賑やかで、普段の演奏会と違う光景でちょっと驚いたものだ。そしてフジコの演奏にまた驚かされる。ステージでは歩行の補助者が付きその上、手押し車を使ってピアノの前に座る。90歳にもなろうかというのに2時間近くの演奏をこなした。年齢を考えるとその力強い音色と体力に仰天した。
1999年にNHKで「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」というドキュメンタリー番組が放映された。この番組により、一夜にして著者は時代の寵児となった。60歳にしてのスター誕生である。青柳いずみこがフジコの演奏について色々な媒体で批評しているので興味のある人はそちらを読んで欲しい。私の感想と重なる部分が多い。
どんな不遇にもめげず人生諦めなければ道は開く。誰にでも開かれたものではないのだろうが、簡単に投げ出しては楽しい未来もないだろう。既に半分以上の人生を過ごしてきたのであるが私にもこれからもっと面白い世界を見ることができるかもしれない。まだまだ挑戦続けられそうだ。