次の震災について本当のことを話してみよう 福和伸夫(ふくわ のぶお)著
名古屋で著者に直接会った事があった。仕事ぶりを同僚等から聞いていたので人となりは知ってはいたものの、本音で語ろう、なんて大変すぎる。災害に関して私は”正常性バイアス”を取り除く事ができない。真剣に向き合う必要があるのは百も承知しているが、多分起きるであろう真実に向き合いたくないのだ。とはいえ現実は厳しい。確実に私の存命中に日本で大きな震災が起き被災者は多数に上るだろう。
最近家を建てたので、家は簡単に壊れないのは安心要素だ。過去の大きな災害から復興してきている地域が大半であるのは心強いが、これまでは日本に余裕があった。しかし急速に日本は力を失っている。著者が言うように次の大きな震災では国民の半数が被災者である。経済も人口も不足し始めた頃に大きな震災に見舞われた場合、復興はどれほど可能だろうか。戦後の華々しい復興はまずない。それでも前を向いて生きていかなきゃ始まらない。