ミリオンセラーガール 里見 蘭(さとみ らん)著
著者の「古書カフェ」シリーズを推薦されたのだが、見つけることができず本に関係ありそうなタイトルを選び読了した。
主人公は働いていたブティックを解雇され転職の末、中堅出版社に運良く採用されたが熱望した編集部ではなく、地味な販売促進部に配属され書店と関わり、ベストセラーを生み出す経験、そして担当業務の大失態。ありえない怒涛の展開から大円団での終了となる。小説の奥が深いわけではないが、出版社から書店への出版物の発注方法等の裏話が書かれていたのはとても興味深かった。
以前「書店ガール」を読み書店員の労働内容がよくわかったが、今回はベストセラーを生み出すまでの過程を知ることができた。小説の内容が良ければ本が売れるのではなく、出版社のバックアップの充実さが売上に大きく関係しているようだ。お仕事小説として読むのも面白い。