78歳のひとり暮らし 村上祥子著

福岡を拠点に料理研究家として活躍して50年近く。時には1日に3回飛行機に乗るようなスケジュールさえ組み「搭乗の予約を間違えているのでは」と航空会社から電話がかかったこともあったらしい。自他ともに認める「マグロちゃん」（動いていなと死んでしまう回遊魚）である。

私が彼女を知ったのは、電子レンジ調理研究家としてTV、料理雑誌で話題になった頃からである。料理の華やかさはないが、電子レンジを利用して簡単にできる調理法を次から次に発表していた。78歳の現在、出版した本は500冊を超え、短期大学、女子大学で非常勤講師を30数年務めたという。これまで50年あまりの間にコクヨのバインダーで2500冊、数にして50万点の資料を集めた。それらは、2016年に福岡女子大学に「村上祥子料理研究資料文庫」が開設され、2019年までに電子化も完了。2023年からは外部からの検索も可能となるようだ。（2023年に福岡女子大学開学100周年記念行事として国際フードスタディセンターが設立予定）

とにかく圧倒される。いつまで活躍するのかわからないが高齢者の希望の星でもある。今後も注目していきたい。