menu

BOOK CAFE LAGOM

680-0824
鳥取市行徳3-757

本の紹介

ブラックリスト サラ・パレツキー著 山本やよい訳

 ヴィツクシリーズ第12話で2007年発刊である。2001年9月11日以後の混迷するアメリカを舞台にした話で英国推理作家協会賞最優秀長編受賞作だ。古本でネット購入した時に上下巻ではなかったので選んだのであったが、開けてビックリの本の厚みであった。

 米国愛国者法の表記が頻繁に出てくる。これは当時のブッシュ大統領時代に発効したアメリカ合衆国の議会制定法だ。2001年の同時多発テロの直後45日間で成立し、米国内外のテロリズムと戦うことを目的として権限を拡大させた法律である。2015年に失効し、人権に配慮し修正された米国自由法が成立した。

 このような混沌としているアメリカ社会の裏側、人種、階級、男女の差別問題もあからさまにされている。陽気なアメリカ人はもういなくなってしまった、と悲しくなる。現在のトランプ政権におけるアメリカの変貌も既に20年以上も前からアメリカ社会を覆っていた事に改めて気付いたのである。

 超人的なヴィツクの活躍に喝采を送るのだが、年齢や性を考慮してしまい年相応の描写にしてもらいたくなる。