菓子屋横丁月光荘「金色姫」 ほしおさなえ著
第一話”繭玉飾り”で繭玉の作り方がわかった。我が家で作った記憶はなく、私の育ったこの辺りの家で作っていると聞いたことはない。正月、小正月の縁起物という。地域よって餅花飾りともいうようだ。蚕の養殖が盛んだった関東地方では養蚕業の繁栄を祈願して繭玉と呼ぶようになったとも言われているようだ。一話は養蚕についての物語だ。
友人の田辺の祖父の家は、守人の曽祖父が建てた家で、昔蚕を飼っていた。田辺の祖母はその家で生まれ蚕とともに過ごした経験があった。日本は明治時代世界最大の生糸輸出国であったが、第二次世界大戦後急激に縮小している。私は福井県の”はたや記念館ゆめおーれ勝山”を見学して養蚕の歴史を知った。
守人が月光荘で暮らし始め、家の声や川越での生活を通して心が開かれていく様子がわかる。
私は川越周辺の土地名を読みながら数十年前に暮らした東武池袋沿線を思い出していた。

